BLOG

税制お役立ち情報や日々の気づきを紹介します。

ブログ
ホーム>ざっくばらんBLOG>消費税インボイス制度開始にあたり伝えたいこと・・・
税制お役立ち情報

消費税インボイス制度開始にあたり伝えたいこと・・・

10月1日から、消費税インボイス制度が開始されました。

まず始めに・・・
私個人としてはこの制度には反対です。
各所で無駄な手間ばかり増え、誰も得をしないからです。

税理士会も終始反対してきましたが、始まったものは仕方ありません。
少なくとも数年は続くものと思います・・・

今月以降、消費税の税額控除を受けるにはインボイス(適格請求書)を受領・保管することが必要です。
インボイスとは、大まかにいうと「従来の請求書や領収書にインボイス対象者(適格請求書発行事業者)としての登録番号が追記され、税率毎に税額が細かく明記されたもの」です。

イメージとしてはインボイスが税額控除に必要な「金券」のようなもので、この金券を1年分集計して申告時に税額控除を受ける、と考えると分かりやすいかもしれません。

ここまでの話で、インボイスをもらえないと消費税が控除できずかなり損をする・・・という印象を持ちますが、一概にそうとも言えません。
経過措置が設けられており、今後3年間は消費税額の80%を控除することができます。
例えば、11万円(うち消費税額1万円)の仕入れをした場合、インボイスの受領が無い場合に1万円が控除できないわけではなく、8,000円は控除できて2,000円だけは控除できない、ということです。
(なお、この他にもインボイス不要取引の特例や、発行者側の経過措置などかなり細かくあります。環境が激変することを緩和する措置ですが、混乱に拍車をかけているようにも思います・・・)
ここで言いたいのは、マスコミ等でかなりドラスティックに報道されていますが、実際は当面そこまで多額の影響は出ないのではないか、ということです。

冒頭に書いた通り、私はインボイス制度には反対です。
これまでは、会計帳簿の記録を基に消費税の計算をしてきました。それで十分に可能なはずです。

もし、インボイス導入の理由に複数税率対応が挙げられるならば、私は複数税率制度もやめるべきだと思っています。
手続きが煩雑になる、税率の判断が難しくグレーゾーンも出てくる、そもそも低取得者支援になっていない・・・などが理由です。

また、インボイス導入の理由に免税事業者の益税排除が挙げられるならば、免税事業者を廃止すれば解決します。
現実的には極めて小規模(駐車場1台だけ貸している 等)での対応は無意味だと思いますので、「事業所得」か「不動産所得」の場合は全て課税事業者、「雑所得」の場合は年間売上300万円以上、程度で区切ってはどうでしょうか。

今月以降のインボイス制度、精一杯関与先の対応をしていきますが・・・

合わせて、税理士会等を通じて廃止の声も上げていきたいと考えています。