年末調整 今年は複雑になりそうです・・・
税理士事務所では、今月から年末調整の準備を始めます。
皆様ご承知の通り、給与所得者の1年間の給与を精算する処理。
当事務所でも12月の中心的な業務ですが、その名の通り年末の一時期に処理が集中する点が悩みのタネでもあります・・・
この年末調整、今年は「年収の壁」の見直しでかなり複雑になりそうです・・・
詳細は「事務所通信」の通りですが、特に「複雑化」のポイントは以下2つだと思っています。
1.「基礎控除」が自身の所得によって変わる
2.大学生世代の扶養親族(「特定親族」といいます)の所得によって、自身の所得控除額が変わる(「特定親族特別控除」が新設されます)
この「『所得』によって変わる」点が、かなりややこしく面倒ですね。
自分の所得はまだいいのですが、大学生世代の子を扶養している方は、子の所得の把握も必要です。
実は「特定親族特別控除」と似た仕組みで従来から「配偶者特別控除」があり、これも複雑です。今回の改正で複雑な控除がさらに増えてしまいました・・・
もはや専用システムを使わないと対応できません。
税理士事務所はいいですが、一般の方が自力で年末調整事務を行うのはほぼ不可能だと感じています。
「税の三原則」というものがあり、「公正・中立・簡素」とされています。
ここ数年、特に「簡素」からほど遠い税制が散見され、税理士としては原則に忠実な税制を切に望みます。
今回の「年収の壁」見直しも、元をたどれば自民党が少数与党になったためで、政治的な事情に起因します。
妥協しつつ各所の要望を取り入れると、こと税制については複雑なものが出来上がる印象です。
現在、自民党総裁選の真っただ中で、総理も変わります。
新政権の税制改正についても、これまで以上に注目していきたいと思います。